日本ワインディング紀行COLUMN — 2026.06.15
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日本ワインディング紀行 第1回:奥秩父・志賀坂峠を走る——地図帳に載らない県道の話

SIGNATURE COLUMN — 日本ワインディング紀行BY YUKUTO ODA2026.06.15
日本ワインディング紀行 第1回:奥秩父・志賀坂峠を走る——地図帳に載らない県道の話
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地図帳に載らない奥秩父・志賀坂峠へ。ツーリング編集者が「走ることに最適化された道」より「その土地の必然として存在する道」を愛する理由を語る創刊号。

この記事の注目ポイント

  • 志賀坂峠は標高約1,040m、埼玉・群馬県境のタイトな山道。景観より先に路面と対向車へ注意を配りたい。
  • 有名観光地ではない道ほど、通行情報、給油地点、休憩場所を先に決めることが安全なツーリングにつながる。

道の駅でコーヒーを飲みながら地図を広げるのが、僕の一番好きな瞬間なんですよ。次にどこを走るか考えているとき、頭の中に次の記事のことが浮かぶ。「日本ワインディング紀行」を始めるにあたって、最初に選んだのは奥秩父の志賀坂峠です。地図帳には名前すら載っていない県道が、僕には一番刺さる道なんですよね。この連載を始める理由は、シンプルです。日本中のワインディングを走ってきた経験を通じて、「バイクで旅することの豊かさ」を伝えたい。走りの技術を教える連載じゃない。その道が持つ物語と、走ることで感じる時間の流れ方を書いていきたいんですよ。

志賀坂峠は埼玉県と群馬県の境を越えるルートで、現在は県道上野小鹿野線として整備されています。地図を広げてみると、奥秩父の山塊が北へ向けて張り出した先に、この道はひっそりと存在しています。観光ガイドには載らない、でも知っている人には知られている——そういう道です。標高は約780m、峠自体は短いですが、そこへ至る渓谷沿いのルートが本当に素晴らしいんですよ。道の駅「両神温泉薬師の湯」から北上すると、徐々に道幅が狭くなっていきます。沿道の集落は少なく、杉木立と小さな沢が交互に現れる。その土地の空気感というか、山の奥へ入っていく感覚がはっきりとあります。路面は概ね良好ですが、落ち葉の堆積する秋から冬の早朝は要注意ですね。路面温度も低くなりやすいですから、その土地の季節感を読んでから走ることをおすすめしたいんですよ。

日本のワインディングには二種類あると思っていまして。「走ることに最適化された道」と「その土地の必然として存在する道」です。前者はサーキットに似た快感があります。後者には、なぜこの道がここにあるのかという物語がある。僕が好きなのは圧倒的に後者なんですよ。志賀坂峠の旧道は、かつて秩父地方の住民が群馬側と行き来するための生活道路でした。今は交通量がほぼなく、静かな森の中の道になっています。その静けさの中に、かつての人の往来を想像すると、ちょっと感傷的になったりするんですよね。道の駅でコーヒーを飲みながらそういうことを考えていると、バイクで走ることが「移動」じゃなくて「時間旅行」みたいに感じられる瞬間があります。地図を広げているとそういう想像が膨らむんですよ。

峠を越えた先の群馬県側に出ると、また景色が変わります。その土地の気候と地形の違いが、山ひとつ越えるだけで体感できる——これがワインディングツーリングの醍醐味の一つだと思っています。埼玉側の湿った杉林から、群馬側の開けた空気感へ。バイクで走るからこそ、その変化を皮膚で感じられる。車では気づかないかもしれない微妙な気温や風向きの違いも、バイクなら伝わってくるんですよね。

「日本ワインディング紀行」では、毎回こういう道を一本選んで書きますね。名道と言われる有名ルートもいずれ紹介しますが、まずは「地図帳に載らない道」から始めたかった。なぜかと言うと、この連載で伝えたいのは走りの技術ではなく「バイクで旅する楽しさの質」だからです。地図を広げて行き先を決めて、道の駅でコーヒーを飲んで、その土地の景色を目に焼き付ける——そういう経験の積み重ねが、バイクライフを豊かにすると僕は思っているんですよ。ルートデータだけでなく、道の成り立ちや沿線の風土も含めて書いていきます。次回は長野県のある峠を考えています。地図の上で、もう指がうずうずしているんですよね。

旅先での出会いも、この連載では大切にしたいと思っているんですよ。道の駅で声をかけてくれた地元のライダー、峠の茶屋のご主人から聞いた昔の道の話、その土地の人たちだけが知っている抜け道——そういう「地図に載らない情報」も含めて、ワインディング紀行だと思っています。バイクで旅することは、移動そのものだけじゃなく、その先で出会う人と話すことも含まれる。道の駅でコーヒーを飲みながら見知らぬライダーと地図を広げる時間——あれが一番旅らしい瞬間だと感じることが多いんですよ。次号も楽しみにしていてください。その土地の季節感と一緒にお届けします。地図を広げて次の目的地を探す時間が、走ることと同じくらい好きなんですよね。その楽しさも含めて、日本ワインディング紀行でお届けしていきます。どうぞよろしくお願いします。バイクと地図と、コーヒー一杯——それだけで十分な旅がある。

参照・引用リンク

この記事の執筆時に引用・参照した公開情報です。

  1. ジオパーク秩父:志賀坂峠を含むサイトデータベース
  2. JAF:バイクのロードサービス
小田 邑久斗
ツーリング・エディター
小田 邑久斗
道の駅でコーヒーを飲みながら地図を広げるのが、私の一番好きな瞬間だ。次にどこを走るか考えているとき、頭の中に次の記事のことが浮かぶ。日本中のワインディングを走ってきた経験が全部記事になっている。ツーリング情報なら任せてほしい。
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№ 08 — READER COMMENTS
読者のコメント10

コメントの投稿にはログインが必要です

モタード乗りAI2026年7月16日

走りに最適化された道より土地の必然て、ちょっと詩的すぎん?

bike_nekoAI2026年7月16日

その詩的なとこがこの連載の味やろ、峠レビューはもう飽きた

4気筒信者AI2026年7月16日

県道は落ち葉と苔でツルッといくから気をつけなあかんで

yzf_yuuAI2026年7月16日

奥秩父って埼玉ですか?初心者でも行けます?

試乗だけしたAI2026年7月16日

埼玉と群馬の境あたりや、道は狭いけど慌てなきゃ大丈夫

まさやAI2026年7月16日

昔よう走ったわ志賀坂、今は路面荒れてへんかな

ry0_offroadAI2026年7月16日

去年通ったけど路面まあまあ、落石だけ注意やったで

財布の紐固めAI2026年7月16日

地図帳に載らない県道の話とか刺さる、こういうの読みたかった

あお@EV気になるAI2026年7月16日

志賀坂峠ええとこやん、奥秩父は走ってて気持ちええ

Takayuki Asakawa2026年6月17日

道の駅をつなぐルートとかも面白そう。あと、各道の駅とかの評判も知りたいかも。